妄想小説家panのブログ。

素人の小説です。

2021-02-28から1日間の記事一覧

remember anotherstory【蓮⑤】

でも、亮太の唇が次は僕の首を這った時、亮太の息が少し荒くなるのを感じて、少し怖くなって手が震える。 怖かったけど、離れたくはなくて、思わず腕にしがみついた。強くしがみつきすぎて、右の手首が鈍く痛んだ。 「怖い?」震える手に気づいて、亮太が聞く…

remember another story【蓮④】

5日ほどして、僕は神野に自分から連絡する勇気もないし、連絡する理由も思いつかないし、ただまた会いたい気持ちだけを持ち続けて過ごした。 姉が退院の日を迎え、僕も手伝いに駆り出された。 「れんにいちゃん」 やはり一緒に連れてこられて退屈していた裕太…

remember anotherstory 【蓮③】

神野は立ち止まって、しばらく僕の顔をじっと見て、少し怖い顔で言った。 「ねぇ、なんで質問なの?」 「え...」 「そうやってさ、人の答えとか反応次第でまた誤魔化そうとするんでしょ?そういうの嫌いだよ」 確かにそうだ。 僕はずっとそればっかりだ。 相手の反…

remember another story【蓮②】

金曜日の夜、アルバイトを終えて帰ろうとすると携帯が鳴った。実家の母からだった。 電話を取らなくても、内容はだいたいわかっていた。 歳の離れた姉が3人目の子供を産むために昨日から入院していたので、きっと産まれたという報告なんだろう。 「もしもし?…

remember anotherstory 【蓮①】※BL表現あり注意※

中学生の時、好きになった人がいた。 国語担当の新任教師で、若くてノリがいいから生徒からも人気があって、背が高くて、男臭くなくて綺麗な顔をしていた。 授業中には、教室中を歩いて生徒たちの様子をよく見てくれて、ひとりひとりにしっかり寄り添って教…